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2025/05/28

鹿児島の「鶏」と「地鶏」のお話♪

一口に鶏と言っても、大別すると「若鶏」「親鶏」「地鶏」に区別されています。

●孵化後、3ヶ月齢未満が「若鶏」。 ←地鶏ではない。

●孵化後、3ヶ月齢以上5ヶ月齢未満が「肥育鶏」。 ←地鶏ではない。

●孵化後、5ヶ月齢以上が「親鶏」(「親おす」と「親めす」に区分)。 ←地鶏ではない。

◇飼育方法や飼養期間等、通常の鶏とは違う育てられ方をしたものが「銘柄鶏」です。様々な種類があります。

◇上記とは別に、血統や育て方等、多くの規格をクリアしたものが「地鶏」です。JAS(日本農林規格)で規定されているもののみ「地鶏」とされます。

■■鹿児島では「さつま若しゃも」「さつま地鶏」「黒さつま鶏」が「地鶏」です。■■

※銘柄鶏≠地鶏

 

 

●●若鶏●● ←地鶏ではない。

「若鶏」=「肉用若鶏」のことで、普段よく店頭で見かけるものです。やわらかく食べやすい、身近な鶏肉です。食肉として用いられる若い鶏です。

 

♪豆知識♪【ブロイラー】 ←地鶏ではない。

広く普及している鶏肉の代表格ですが、廉価品としてのイメージも強いのではないでしょうか。

厳密に言うと、肉専用として大型飼育された若鶏の総称が「ブロイラー」と呼ばれています。若鶏として販売されているほとんどが「ブロイラー」なのです。

現在では品種や育てられ方も様々で、質の良いブロイラーも多く生産されています。ある意味、裾野が広い若鶏でもあります。

※ブロイラー(肉用鶏)は種鶏が産む卵から孵った雛を約50日飼育した鶏です。

 

 

●●肥育鶏●● ←地鶏ではない。

「肥育鶏」は名称の通り、肥育された鶏のことで、一般的な鶏とは差をつけている銘柄鶏などに多いです。

 

●●親鶏●● ←地鶏ではない。

「親鶏」とは、簡単に言うと雌の場合は「採卵」用の鶏。雄の場合は「種」用の鶏です(種鶏とも呼ばれます)。

肉質はかたさがありますが、味のあるものです。昔の田舎の鶏といった感じでしょうか。深いダシも出るので若鶏とは違う魅力があり、根強い人気があります。

 

♪豆知識♪【親鶏(おやどり)】 ←地鶏ではない。

■親鶏は、採卵目的の鶏のことを言い、年間で約280個程度の卵を産みます。

〇親鶏特徴1「かたい肉質」〇

・飼育日数は約750日と種鶏よりも長いため、肉質は固く歯応えがあります。

〇親鶏特徴2「旨みたっぷり」〇

・鶏肉のしっかりとした味、噛めば噛むほど出てくるしっかりとした旨味は、若鶏では味わう事のできない親鶏特有のおいしさです。=鶏出汁及び鶏ガラスープは主に親鶏を原料としています。

 

♪豆知識♪【種鶏(しゅけい)】 ←地鶏ではない。

・ブロイラー飼育日数の9倍にあたる450日以上の育成日数。

※一般的に肉の旨味は飼育期間が長いほど増すといわれており、種鶏は鶏本来のうまみと歯ごたえが味わえます。

※日本国内におけるブロイラーの飼育羽数は年間6億5千万羽に対し種鶏は500万羽と非常に希少な鶏です。

〇種鶏特徴1「弾力のある肉質」〇

運動する期間がかなり長いため、筋肉が発達し、肉質に弾力が生まれます。固すぎず柔らかすぎない、歯応えのある独特の食感が楽しめます。

〇種鶏特徴2「安全で健康的」〇

種鶏は健康な卵を産むための鶏のため、常に健康管理が行き届いた安全な鶏です。また、肝機能や血圧・コレステロール値に有効とされる「タウリン」や、抗酸化作用が期待される「カルノシン」がブロイラーより比較的多く含まれています。さらに、種鶏の脂は融点(溶け出す温度)が低く、人の体温とほぼ同じ36℃で溶け出すため排出されるのも早く、体内に残りません。種鶏は体に優しくヘルシーなのです。

〇種鶏特徴3「旨みたっぷり」〇

鶏肉の旨味を生成するには、ある程度の長い期間飼育する必要があります。通常ブロイラーは、大きく育てば旨味など関係なく出荷されますが、種鶏は一番健康な時の卵を産む鶏のため、長い期間飼育されます。だから、種鶏は旨味が増す。それを裏付けるデータとして、旨味成分である「イノシン酸」や「グルタミン酸」がブロイラーよりも多く含まれている結果も出ています。

 

 

 

■■■鹿児島の地鶏■■■ ←下記の3種類のみ「地鶏」です。

「薩摩鶏」=日本三大地鶏のひとつで天然記念物の日本固有の鶏です。

その薩摩鶏を種鶏として誕生したのが下記3ブランド鶏。

①     さつま若しゃも

②     さつま地鶏

③     黒さつま鶏

 

「地鶏」と「普通の“鶏” 」との違い

地鶏とは日本農林規格(特定JAS)において、日本に明治以前から飼養されている在来種(薩摩鶏、比内地鶏など39種)の純系、または在来種が素びなの親鳥に用いられ、在来種の血が50%以上含まれるものであり、飼育期間が75日以上、28日齢以降の平飼いと、1㎡当たり10羽以下で飼育されたものと定められています(平飼いとは、鶏舎内または屋外において鶏が床面(地面)を自由に運動できるようにして飼育する方法)。鹿児島県のさつま若しゃも、さつま地鶏、黒さつま鶏は、この定義をすべて満たしています。

 

①さつま若しゃも

誕生したのは昭和46年。翌年に開催された『太陽国体』で特産品として楽しんでもらおうと開発されました。いわば、鹿児島県の地鶏の先駆的存在です。

父方は島津の殿様も愛した天然記念物“薩摩鶏”、母方にはホワイトプリマスロックが選ばれました。その旨味・歯ごたえ・舌触りとバランスのとれた美味しさが評判です。

 

②さつま地鶏

天然記念物でもある“薩摩鶏”の雄と、在来種・ロードアイランドレッドの雌をかけあわせて第1世代を誕生させ、そこからさらに交配・選抜を繰り返して作出した固定種。

鹿児島県の畜産試験場が平成2年度から開発に取り組み、完成までに10年もの歳月をかけた、まさに畜産県・鹿児島の集大成とも呼べる地鶏です。

飼養期間の長さは、コクのある旨味、そして程よい歯ごたえを生み出す、重要なポイント。ゆっくりと時間をかけ、人の手で愛情を持って育てることが、地鶏にとって何よりも大切なことなのです。

 

③黒さつま鶏

平成18年に黒豚・黒牛に続く第3の「新たなる黒」として誕生。本格的な出荷は平成23年度からです。

父は江戸時代に薩摩藩で闘鶏用に作られた“薩摩鶏”。県畜産試験場では昭和30年代から62世代に渡ってこの薩摩鶏の維持・改良に取り組んでおり、日本三大地鶏のひとつとしても知られています。一方、母は羽が白黒で碁石のように見えることから、鹿児島では“ごいし”の愛称で親しまれてきた“横斑プリマスロック”。洋風な名前ですが、立派な在来種の地鶏です。

※薩摩鶏:日本三大地鶏のひとつ。

黒さつま鶏は旨味成分が多く含まれ、脂のノリも良い。水分が少なく締りの良い肉質は、筋繊維が細かいという長所を感じさせる歯切れの良さと適度な弾力がありながら食感は柔らかいという特長があります。煮ても焼いても冷めても美味しい肉質が自慢です。

特に深みのある味わいは別格で、中でも鶏ガラスープは絶品。シンプルな調理で鶏本来の味を楽しめる「黒さつま鶏」なのです。

 

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さつまち鹿児島中央駅 2F みやげ横丁
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